特定労働者派遣事業を営むみなさまへ

現在「特定労働者派遣事業」 を営んでいる事業所は、今後は「(新) 労働者派遣事業許可」 を取得しないかぎりは、派遣事業を継続することができなくなります。

その経過措置期間は 「平成30年9月29日」までとされていますが、「まだ先のこと」 だと考えるのは、やや問題があります。

許可を取得するためには、基準資産額2,000万円、現金・ 預金1,500万円といった資産要件を満たす必要がありますが、多くの事業所では「あと2回」しか、その基準を判断する決算を迎えることができません。

具体的にいえば、今年の決算で基準を満たさなかった場合は、その次の決算が「ラストチャンス」 となるケースが多いということです。

例えば、6月決算(8月申告) の会社の場合には、以下のような流れとなります。

  • H28年6月決算 → 資産要件 ×
  • H29年6月決算 → 資産要件 ×
  • H30年6月決算 → 資産要件 ○ → ただし、9/29までの申請に間に合わない?
この場合、平成30年の決算で資産要件を満たしたとしても、9月29日までの申請には間に合わない可能性が高くなります。
そうすると、残念ながら派遣事業を継続することはできず、特定労働者派遣事業の経過措置が終わる平成30年9月29日をもって、事業は終了することになります。

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他の決算月である会社についても決して安心することはできず、許可申請ラッシュが予想される労働局の窓口では、混乱を避けるために平成30年の9月を待たずに受付が規制される可能性があります。

実際に東京労働局など複数の労働局ではすでにそのような動きが打ち出されているため、現実的には平成30年の申請については春から夏までを目途と考えておいた方が無難です。

また、常時雇用している派遣労働者が10人以下もしくは5人以下の場合には、一定の要件を満たすことで資産要件が緩和される「小規模派遣元事業主への暫定的な配慮措置」での許可申請を行うことも可能ですが、この手続きを行うためにはいくつかの事前準備や添付書類が必要です。

5人以下の場合の配慮措置については平成30年9月29日までの経過措置であり、10人以下の場合の配慮措置についてもいつまで配慮措置が存続するかは不明であるため、いずれにしても早急の対応が求められることに変わりはありません。

「いろいろと考えていたら、配慮措置で許可申請するタイミングを逸してしまった」 ということにならないよう、早めに情報収集し具体的な対策に移していきたいものです。

「小規模派遣元事業主への暫定的な配慮措置」

(1) 常時雇用している派遣労働者が10人以下である中小企業事業主(過去1年間の月末実数平均)
→基準資産額: 1,000万円以上、現預金額: 800万円以上(当分の間)

(2) 常時雇用している派遣労働者が5人以下である中小企業事業主(同上)
→基準資産額: 500万円以上、現預金額: 400万円以上(施行後3年間)

暫定措置に依るにしても依らないにしても、許可申請にあたっては数々の許可基準をすべて満たす必要がありますが、このハードルは平成27年改正によってかなり高くなってきています。

キャリア形成支援制度やキャリア・ コンサルティングの窓口の設置など、事業計画書に新たに盛り込むべき内容は多岐に及んでいます。

社会保険についても新たな様式によって、すべての労働者の加入状況を報告していく必要があります。

「いろいろと考えていたら、配慮措置で許可申請するタイミングを逸してしまった」 ということにならないよう、早めに情報収集し具体的な対策に移していきたいものです。

これらの許可基準をすべて満たすためには、場合によっては相当の準備期間が必要となることでしょう。

そして、経過措置期間中の特定労働者派遣事業者については、採用難に加えて将来を不安視する派遣労働者が出てきたり、あるいは取引先から今後の展望について厳しく問われるといった場面が増えつつあるのが実際です。

そんな意味合いも含めて考えるならば、時間はまだあるようでいて、意外と残されていないともいえるでしょう。

「もっと早く取り組んでおくべきだった・ ・ ・ 」 ということにならないよう、将来を見据えた対応に心掛けていきたいものです。

特定労働者派遣事業から許可制への移行に関することなら、私たちにお気軽にご相談ください。

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労働者派遣事業の許可更新や報告書に取り組むみなさまへ

労働者派遣事業許可は、初回3年、2回目以降5年ごとに、許可更新の手続きを行わなければなりません。

許可更新を行わない場合は、当然のことながら、せっかく取得した許可は失効してしまいます。

許可更新にあたっては、基本的には新規の許可申請と同様の許可基準をすべて満たさなければなりません。

平成27年改正で新たな許可基準が多数追加されていますので、そもそも「○年前に許可を取得したときの会社の状況では許可更新ができない」という事業所もたくさん存在します。

法改正の内容を知らなかったという言い訳はいっさいできませんので、この場合は許可の有効期間が満了すると同時に派遣事業を行うことはできなくなります。

そのようなあまりにも厳しい結果にならないためにも、許可更新には事前準備をしっかりして確実に臨んでいく必要があるでしょう。

改正法の許可(更新) 申請にあたっては、まず追加されている以下の様式を中心に準備していくことが求められます。

これらはあくまで法定の様式であるため、更新申請にあたっては添付書類や実態を証明する書類などが必要なことはいうまでもありません。

  • キャリア形成支援制度に関する計画書(様式第3号 -2)
  • 雇用保険等の被保険者資格取得の状況報告書(様式第3号 -3)
  • 労働者派遣事業の許可申請にあたっての自己チェックの結果について(様式第15号)
上記の中でも最も注意が必要なのが、「キャリア形成支援制度に関する計画書」です。

ここには、キャリア・コンサルティング窓口、キャリア・コンサルティングに関するマニュアル等、キャリアアップに資する教育訓練等について、それぞれ実態に即した内容を記載します。

すべて平成27年改正前にはなかった内容ですので、基本的にはゼロベースで社内の体制を構築していく必要があります(改正後の事業報告書を提出して以降は、その内容も参照していくことになります)。

更新申請の関係書類の中でも戸惑うことになりがちなのは、「派遣労働者のキャリアの形成の支援に関する規程」です。 これは具体的には以下のものを指します。

(1) 教育訓練の受講時間を労働時間として扱い、相当する賃金を支払うことの取扱いについて記載された就業規則または労働契約の該当箇所の写し。

(2) 派遣労働者のキャリア形成を念頭においた派遣先の提供のための事務手引、マニュアル等またはその概要の該当箇所の写し。

(2) は派遣労働者としてのキャリアアップに資する教育訓練を実施するための事務手引やマニュアル等ですが、基本的には少なくとも実施する教育訓練の最低限の内容とカリキュラムが分かるものである必要があります。

この事務手引やマニュアル等の作成方法が要領を得なかったり、準備に思わぬ時間や労力を要してしまうケースも少なくありません。

許可更新には申請期限がありますが、タイムオーバーとなって徒過してしまうことのないように、細心の注意を払う必要があるでしょう。

また、いざ詳しい決算内容を調べたら資産要件が満たせなかったり(資産要件には若干複雑なルールがあります)、申請の準備に取り掛かってからその他の許可基準が満せないことが判明することもあります。

そのような場合、事後的な対応では解決することが不可能なこともありますので、許可更新の準備はとにかく早いに越したことはありません。

 

派遣事業報告書については、改正前までは「年度報告」「6月1日現在の状況報告」 の2つに分かれていましたが、改正後は一本化された新様式で毎年度6月30日までに提出することになっています。

様式が変わり一本化されただけでなく、法改正によってキャリア形成支援制度やキャリア・ コンサルティングに関する項目が多数追加されていますので、様式も7枚のボリュームとなり、かなり複雑になっています。

【改正前】
(1) 労働者派遣事業報告書(事業所ごと毎事業年度経過後1か月以内)
(2) 6月1日現在の状況報告(事業所ごと当年6月30日まで)
(3) 労働者派遣事業収支決算書(事業主毎事業年度経過後3か月以内)
(4) 関係派遣先派遣割合報告書(事業主毎事業年度経過後3か月以内)

【改正後】
(1) 労働者派遣事業報告書(事業所ごと当年6月30日まで)
(2) 労働者派遣事業収支決算書(事業主毎事業年度経過後3か月以内)
(3) 関係派遣先派遣割合報告書(事業主毎事業年度経過後3か月以内)

日常業務を抱える担当者の方が1日や2日でこれらの内容を正確かつ網羅的に記載することはなかなか困難ですから、あらかじめ事業報告を見越した実務フローを構築することが求められることになります。

収支決算書や関係派遣先派遣割合も含めて、これらの報告書を提出しない事業所に関しては、許可取消しや事業廃止命令といった厳しい行政処分が下されることにもなります(実際に平成28年1月には、「関係派遣先割合」を提出しない200以上の派遣元が、3月には約600の派遣元が許可取消しなどの厳しい行政処分を受けました。)。

派遣事業報告書の作成および提出は、派遣事業を営む上での基本的なコンプライアンスの一環だといえるでしょう。

ぜひ、常日頃から毎年の報告を見据えた経営を心掛けていきたいものです。

許可更新や報告書に関することなら、私たちにお気軽にご相談ください。

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平成29年2月22日、改定版を出版します!

小岩広宣著
『改定版 人材派遣・ 紹介業許可申請・ 設立運営ハンドブック』(日本法令)
■内容
第 I 部 平成27年 労働者派遣法改正のポイント
第1章 平成27年9月30日施行の改正法のポイント
第2章 平成27年10月1日施行の改正法のポイント
第3章 法改正Q&A
第 II 部 労働者派遣事業の設立・運営の手引き
第1章 事前準備および事前相談
第2章 会社設立および創業融資について
第3章 許可申請書および提出書類
第4章 許可申請に添付を求められる書類
第5章 派遣事業開始後の関係書類
第6章 労働者派遣事業報告書
第7章 許可更新および変更届
第8章 その他の関係書類
第9章 紹介予定派遣
第10章 請負事業について
第11章 定期指導について
第 III 部 有料職業紹介事業の設立・ 運営の手引き
第1章 有料職業紹介事業の許可基準について
第2章 許可申請書および提出書類
第3章 許可申請書および提出書類
第4章 有料職業紹介事業開始後の関係書類
第5章 有料職業紹介事業報告書
第6章 許可更新および変更届
第IV部 人材ビジネス経営実務Q&A
資料編
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