派遣業成功のための4つのポイント

「さあ、頑張って派遣会社を立ち上げよう!」
「よし、当社も派遣業に進出しよう!」

そう心に決めたなら、あなたは、まず何から始めますか?

「駅近くの立地条件のいいオフィスを探す」
「知り合いの広告代理店に電話する」

いえいえ。それも大切ですが・・・

人材派遣業の立ち上げを成功させるためには、次の4点の準備が必要です。

その1 派遣業許可の取得と派遣業運営のための法的整備

まず、一般労働者派遣事業の許可(あるいは特定労働者派遣事業の届出)を取得しましょう。許可申請のノウハウについては、他で詳しく説明していますので、ここでは触れません。これが派遣業の出発点であり、事業の大前提となります。

許可を得て派遣業を営むにあたっては、いくつかのルールがあります。

例えば、「この業務での派遣期間は何年まで」「派遣基本契約書はどう作る」「派遣元管理台帳の内容はこうだ」「派遣先への通知はこう行なう」とか。

事業を始めるにあたっては、これらのルールをひととおりマスターしておくことが必要です。これは法律で決まっているから必要だということ以上に、派遣会社の経営上、最低限必要な部分だからです。

派遣スタッフを求める企業と対等に取引するためには、最低限のコンプライアンスは遵守する派遣会社だという意識づけが不可決です。コンプライアンスが叫ばれるこんにち、ルール遵守の姿勢なくして事業の発展はありえません。

派遣業に関するルールは国から強制されたものだと考えるのではなく、「なぜこのようなルールがあるのか?」と考え、「これを当社の現状にあてはめるとどうなるのか」というスタンスで取り組んでいくべきです。

成長・発展している派遣会社は、ルールをまず自分のものにし、それを基本として、さらに自社の「強み」を活かすためのルールをつくっていきます。

その2 派遣先確保のためのマーケティングと営業戦略

派遣会社にとって、派遣先企業と派遣スタッフの双方がお客様ということになります。自社の事業に理解の深い派遣先企業だけでも、優秀でモチベーションの高い派遣スタッフだけでも、事業は成り立ちません。

したがって、この双方のマッチングを意識しつつも、それぞれに対して別個のマーケティング、営業戦略を考えていく必要があります。

派遣先確保のためのアプローチとしては、まず、派遣業を始めようとする経営者の「強み」を再確認するところからスタートすることが大切です。

もともと派遣会社に勤務していて、独立したのであれば、そのことがあなたの「強み」。

銀行出身で、独立するのであれば、金融関係のノウハウや人脈が「強み」。

あなたがハタチの経営者なのであれば、その若さとバイタリティーじたいが「強み」。

大手メーカーを定年退職後、起業するのであれば、その長年の経験が「強み」となります。

派遣先企業に対しては、あなたの経験や特性、取柄が最大の商品となります。なぜなら、その1で触れた派遣業運営のための法的整備について十分に理解し対応できるあなたは、すでにクライアントが求める派遣サービスを提供するために必要な水準の能力を持っているはずであり、派遣先のよきパートナーとなるための第一条件はクリアしているからです。

あとは、あなたの「強み」をいかに派遣先となりうる企業に対して訴求し、受け入れてもらうか、ということになります。

人は、相手が最低限信頼できる人だと理解し、もしかしたら自分にとって必要な存在かもしれないと考えたとき、何かしらの接点を持つことにより親近感を感じ始め、一歩距離が近づきます。

もしあなたがメーカー出身なのであれば、生産工程の知識や経験に基づくイメージをふくらませて、その仕事を派遣社員に委ねることのメリットをまとめた提案書をつくるべきです。

あなたが学卒後、社会経験少なくして派遣業を起業するというのであれば、自分がなぜ正社員雇用の道を選択しなかったのか、まわりの若者たちのうち、派遣社員として働いている人たちはいかなるメンタリティーの持ち主なのかということに思いをなしながら、若者に支持される派遣会社であるためには何が必要かを考え、派遣先への企画を立てるべきです。

その3 派遣スタッフ確保のためのマーケティングと求人戦略

いま、派遣会社にとって一番の課題は、派遣スタッフの確保とその資質の向上です。

全国的に派遣スタッフのニーズはまだまだ拡大傾向にあるのに対して、景気が好調な中部地区を中心に人材不足が慢性化してきているため、優秀な派遣スタッフに支持される派遣会社にとっては、派遣先企業探しはそれほど困難ではないケースが多いからです。

派遣スタッフを確保するための戦略としては、もちろん求人広告や紹介戦略も必要ですが、その前段階として、自社の方針とコンセプトを明確にすることが必要になります。それには大きく3つの柱があります。

ひとつは、会社が求めるべき人材像を明確に打ち出すことです。「うちの会社はこんな派遣会社になることを目標としています」「そのために社長以下がこんな努力をしています」「そして、その理想の派遣会社となるために、こんな派遣スタッフを求めます」というメッセージを派遣スタッフ予備軍に対して積極的に発していくことが必要です。求めるべき人材像の理想は(会社のコンセプトというレベルでは)ある程度高くてかまいません。逆に、「この時給で働いてくれる人なら誰でも」「派遣先からクレームのこない人なら誰でも」というスタンスでは、いつまでたってもスタッフは定着しません。

ふたつめは、会社が派遣スタッフに対して約束する待遇や福利厚生を明確にうたうということです。時給や交通費、保険加入が明確にされているのはいうまでもないことですが、時給の昇給はあるのか、あるのであればどのような状況になると昇給するのか、会社独自の福利厚生にはどのようなものが用意されているのか、今の派遣先の仕事が満了したら、どのような手続きで次の派遣先が紹介されるのか、管理部門等への正社員登用制度はあるのか、どのような基準で登用されるのか、あるいは派遣先での仕事上の疑問や悩みについては、どのような体制で応えてもらえるのか、といった事柄を明確にうたっていくという姿勢が大切です。やはり待遇・福利厚生面で何かひとつ他社にない優位性を持てると有利です。

三つめは、自社の特長と「強み」を明確なメッセージとして発信していくということです。例えば、一定の技術を持ったプログラマーの派遣に特化していくことで企業の評価を得ていきたいのか、地元でのフットワークの軽さを武器にして短期の派遣業務に特化していくのか、あるいは前職での知識や人脈を活かして介護・福祉の分野の派遣を狙っていくのか。自社の特長は明確であるほどインパクトは増します。これは派遣先確保のための戦略と相通ずる部分となります。

その4 事業拡大のための労務管理体制の構築と人材育成

法的整備を万全にして、派遣先を獲得し、優秀な派遣スタッフを確保する。ここまでの流れで派遣会社の業務は成り立ちますが、事業を軌道に乗せ、拡大・発展させていくためには、労務管理と人材育成の部分が重要になってきます。

派遣先企業は、業務の効率化をはかりたいから、社内に適当な人材が見当たらないから、短期間の増産に対応したいから、といった理由で派遣スタッフを求めてきます。派遣先の非日常的な状況に対応するために、いわば「よそ者」である派遣スタッフが業務を行なうわけですから、そもそもトラブルや苦情が発生しやすいのはいうまでもありません。

また、派遣スタッフは、派遣会社に雇用されつつ、派遣先企業の指揮命令に従うという特殊な就業形態にある上、短期間に多くの就業場所を経験することも多いことから権利意識の高い方が多く、派遣会社に対して疑問をぶつけたりクレームを発することも十分に想定されます。

派遣会社は、これらの派遣先企業と派遣スタッフの疑問やクレームに対応しながら、良好な関係を維持していくように努めなければなりません。派遣先企業と派遣スタッフとの間の橋渡し役として、いかに両者との関係をうまくつなぎとめていけるかが、拡大・発展のためのポイントとなってきます。

創業当時、経営者が営業も行ない、管理も行ない、すべてを切り盛りしているうちは、経営者自身がその1の法的整備を心がけ、ルール遵守をしっかりとしていれば、労務管理についてもそれほど大きな問題は起こらないものです。

ブレーンが必要になり、部下を採用していくようになると、経営者の方針を会社全体に浸透させていくことが必要になります。組織が大きくなるにつれて、企業としての業績や効率をより重視しなければならなくなっていくため、今まで何気なく行なってきた法的整備や労務管理がおろそかになりかねない局面がでてきます。

派遣会社の労務管理の問題は、言い換えるなら、管理スタッフの人材育成の問題だということができます。自社のコンセプトと方針に沿った形で人材育成に成功することができるかどうかが、派遣会社が事業を拡大していくための最大のポイントだといえます。

以上が、派遣業の成功のための4つのポイントです。

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